当院の硝子体手術

硝子体とは眼球内の大部分を満たしている透明なゼリー状の組織で、眼球の形を保つ役割を果たしており、視覚にも影響を与える重要な部分です。
様々な網膜の病気で硝子体腔に出血が生じたり、網膜に膜が張ったりすることで見え方に障害を引き起こします。
こういった病気の状態を治療する為に、手術では白目の部分に3か所小さな穴を開け、細い器具を挿入して眼内の出血や濁り、網膜にできた膜を硝子体とともに取り除いて、網膜機能の保全、改善を目指します。
当院では最新の設備である極小切開硝子体手術(25G)を用いた日帰り硝子体手術に対応しております。
硝子体手術を検討する病気
網膜剥離 | 網膜に穴が開いて剥がれる状態で、視力低下や失明を引き起こす可能性があります。 |
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糖尿病網膜症 | 糖尿病が原因で出血や浮腫が起こり視力低下を引き起こす可能性があります。 |
硝子体出血 | 硝子体内で出血が起こる場合、視界がぼやけたり、視力低下が起こることがあります。 |
黄斑円孔 | 黄斑部分に穴が開くことで、視界の歪み、中心が暗く見えるなどの症状を引き起こします。 |
黄斑上膜 | 黄斑部に薄い膜が形成され、視野の歪みや物が大きく見えるといった症状が出る事があります。 |
白内障手術との同時手術について
硝子体を切除すると数か月~数年以内に白内障を併発する事が知られています。
そのため若年者を除いて50歳前後以降の方は硝子体手術には白内障手術の併用をおすすめしています。
また、同時手術を行うことによって、術前および術後の眼内炎や飛蚊症などのリスクを軽減し、手術の安全性が向上するといったメリットもあります。
手術の流れ
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局所麻酔
手術中に痛みを感じないよう、局所麻酔をおこないます。
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小さな穴を3か所開けます
硝子体を切除するために、眼球の壁に小さな穴を3ヵ所開けます。
その穴から細い器具を3点眼内に挿入します。
- 硝子体を切るためのカッター
- 照明のための光ファイバー
- 眼球形態を保つための灌流液を注入する器具
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硝子体の切除
硝子体をカッターで切除します
切除した硝子体の代わりに灌流液を注入することで、眼球の形状を維持します。
その後は疾患に応じて、それぞれに必要な処置を行っていきます。
(疾患に応じて、空気や膨張ガス、シリコンオイルなどを眼内に注入する場合があります) -
終了
空気や膨張ガスを入れた場合は、術後うつむきの姿勢が必要となります。
空気やガスは1〜2週間程度で眼内の水に置き換わります。
手術後の注意点
- 手術後、数日間うつむき姿勢が必要になることがあります。
- 数日~数週間は点眼薬の使用や通院が必要になります。
- しばらくは目に負担をかけない生活(運動・水仕事・化粧など制限あり)が必要になります。